昨年度、京田辺市地域プロジェクトでは市内小・中学校3校を実証フィールドとして、学校教育現場においてOSSデスクトップ環境を活用するための望ましい「運用・サポートモデル」「教員研修方法」の構築を目標とし実証実験を推進した。
その結果、「リサイクルPC活用の可能性」「OSS環境導入に向けたサポート体制の重要性」「授業におけるOSS環境の実用性」を明らかにできた。一方、「マシンのスペックに合わせたディストリビューションの選択が困難なこと」や「校務処理用途でOSSを利用する際の問題」が今後の課題として残された。
そこで、本年度は昨年度習得したノウハウや成果物を踏まえ、取り残された課題の解決と新たな試みを推進していく。
本年度の京田辺市地域プロジェクトでは、「取り残された課題の解決」としてUSB ブート方式によるOSSの活用ならびに教員の校務での活用を、「新たな試み」としてクラスルームPC管理の実施を目指し、具体的には以下の取組みを推進する。
■ 「USBフラッシュメモリによるブート起動の活用」
昨年度は検証のみで終了したが、本年度は教員対象で活用を実施し既存環境からの移行性も含めて検証する。
■ 「校務での活用」
昨年度は授業での児童・生徒の活用を主な目的としていたが、本年度は昨年度の活用に加えて校務での活用も実施する。既存の校務処理を考慮したうえで一部機能をOSP環境にて実行する。
■ 「クラスルームPC管理の実施」
クラスルームPC管理システムを検証・導入し、PC管理の効率化ならびに簡易化を目指す。
上記以外に、昨年度から引き続きより幅広い科目での授業実践やサポートモデル、マニュアルの改善を図りながら、様々な側面から検証を行っていく。