「こころのけしごむ」
みなさんは、勉強していて書き間違ったり、答えが違っていたりしたら、
消しゴムで消して書き直しをしますね。

正しいことを覚えたり、身に付けたりするために、「消しゴムで消して書き直しなさい。」といちいち言われなくても、自分でそうしていますよね。自分が間違ったのだから、自分でそうするのはあたりまえのことです。
実は、みなさんは、もう一つ「消しゴム」を持っています。でも、このもう一つの消しゴムは、字の間違いや答えの書き間違いをしたときに使うものではありません。
4月の朝のつどいで、「こころのブレーキ」のお話をしましたが、今日お話するのは、「こころの消しゴム」についてです。
いろいろ思い浮かぶ人もいると思いますが、「心の消しゴム」ってどんな消しゴムだと思いますか。ちょっと考えてみてください。
校長先生の考える「心の消しゴム」というのは、心の間違いというか、自分が友だちやお家の人に間違ったことをしたときや迷惑をかけたとき、また、約束したことや決まっていることができなかったときに「ごめんなさい」とか「すみません」とかいいますね。
簡単にいうと、この「ごめんなさい」や「すみません」という言葉が、「心の消しゴム」です。
この心の消しゴムも、心のブレーキと同じようにみんなが持っています。だって、「ごめんなさい」「すみません」という言葉を知らない人はいないし、みんな、ときどき使っていますね。
学校の中でも、「ごめんなさい」とか「すみません」という言葉を使っている人がたくさんいます。
でも、もっと早く使っていれば、何も問題にならないのに、「ごめんなさい」とか「すいません」という言葉がないために、お互いがイヤな気持ちになったり、けんかになったりすることがときどきありますね。
こういうことは、子どもだけでなく、おとなにもあります。心の消しゴムを上手に使うことは、それだけ難しいことでもあります。
自分のまちがいに気づいて、友だちに「ごめんなさい」とか「すみません」とか言うのは、勇気がいります。

心の消しゴムは、普通の消しゴムのように、使っても減りませんし、なくなりません。
減るどころか、もっとよく消える心の消しゴムに変わっていきます。反対に、心の消しゴムを使わなければ、固くなって消えにくくなって、たまに使おうとしてもよく消えないことにもなります。
心の消しゴムは、友だち同士や家族を仲よく 明るく 元気にしてくれる大切な道具です。